猫のトイレのしつけ完全ガイド|子猫・成猫・野良猫のケース別に解説

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猫との暮らしで欠かせないのが「トイレのしつけ」。
「いつから教えればいいの?」「保護猫はどうすれば?」「なぜかトイレで失敗してしまう…」
そんなお悩みに、愛玩動物看護師の視点でやさしくお答えします。

子猫・成猫・野良猫、それぞれの状況に合わせたトイレ習慣の整え方を、一緒に見ていきましょう。


🐾 トイレ習慣はいつから始める?子猫の基本ケア

猫は本来、とてもきれい好きな動物ですので、自然とトイレは決まった場所にしてくれます。
子猫は生後3〜4週ごろになると、母猫のまねをしてトイレ行動を始めます。
つまり、離乳期(生後1ヶ月ごろ)から、トイレ習慣はすでに始まっているのです。

ブリーダーやペットショップから迎える子猫は、生後8週齢(約2ヶ月)以降なので、この時点でトイレの使い方はおおむね身についているのがふつうです。
ただし、新しい環境に慣れるまではトイレへの誘導が必要になります。

以下のポイントを意識してみましょう。

▶ トイレ習慣を整えるための3つのポイント

● トイレは静かで落ち着いた場所に設置

子猫をお迎え直後は、猫用ケージを使うのがおすすめ。
猫が動きやすいように、動線を意識してトイレの位置を決めましょう。

ケージを使わない場合は、ごはん・トイレ・ベッドを比較的近い場所にまとめて置くことで、子猫が迷わず行動できます。

● 子猫が使いやすい高さと広さのトイレを選ぶ

子猫用のトイレはサイズが小さめなので、大きくなったときに使わなくなることもあります。
ケージ内で邪魔にならないサイズであれば、子猫の体に対して大きくても大丈夫!
子猫が使いやすいように、出入り口の高さが低めのものを選びましょう。
また、トイレの入口が高い場合は、入口付近にステップやスロープを設置すると安心です。

● トイレのあとは、そっと褒めてあげる

動物にとって、排泄は自然で気持ちのよい行動。
排泄がちゃんとできて、なにも怖いことがなかった、という経験だけでも安心感に繋がります。
「できたね、えらいね」と優しく声をかける程度で十分、大げさに褒める必要はありません
子猫がびっくりしないよう、落ち着いて接しましょう。


❌ トイレ習慣でやってはいけないこと

トイレのしつけで大切なのは、「焦らず見守る」こと。
失敗しても決して叱らないでください
特に、お迎え直後のタイミングでは信頼関係がまだできていないため、怒ることでかえって関係が悪化することも。

排泄=怖い、という印象を与えてしまうと、トイレを我慢したり、隠れて粗相をしたりする原因になります。


🐾 成猫や保護猫のトイレ習慣の整え方

成猫ですでにトイレ習慣ができている子でも、新しい環境に変わるとトイレに失敗することがあります。
特に保護猫や多頭飼育の場合は、「どこでしていいのかわからない」「安心できない」と感じやすいのです。

トイレ習慣の見直しや環境に慣れてくれるようなサポートを意識してみましょう。

▶トイレの数は「猫の頭数+1」が理想

特に多頭飼育の場合は、一頭一頭自分のお気に入りトイレが決まっている場合があります。
しかも、おしっことうんちを別々でしたい猫が多いんです。
1頭に1個ずつだと、「いざ、うんち」というタイミングできれいなトイレが見つからないかもしれません。
結果、粗相をしてしまったり、他の子のトイレを使ってしまって猫同士の関係が悪化したりします。

清潔なトイレが見つからないと粗相につながってしまうこともあるので、余裕を持って設置しましょう。

▶猫砂の種類を変えてみる(複数を用意して好みを観察)

猫砂の好みは猫それぞれ。
踏み心地や粒の大きさ、においの有無など、細かな違いで好みが分かれます
複数のトイレに異なる猫砂を入れて、どれを使うか観察してみましょう。

以外と猫に好まれないトイレは、2層式のシステムトイレや屋根付きのトイレ
いつも清潔にしているのに、いまいちトイレに満足していない様子であれば、トイレのボックスごと変えてしまってもいいかも。

▶トイレの場所は「逃げ道のある壁際」

じつは、猫が安心して使えるトイレの条件は「天敵が来たとしてもすぐに逃げられる場所にあること」
袋小路のような場所は警戒心の強い猫には不向きです。
理想は、壁際にありつつ他の3方向に逃げ道があるような場所ですよ。
部屋の角にトイレを設置したい場合には、壁にピッタリくっつけないで15cmくらい離して置いてみてください。

▶ 粗相をした場所は完全に消臭&原因の見直しを

  • しっかりと掃除して臭いを残さない
    • トイレ以外の場所で粗相をしてしまったら、その場所ににおいが残ると「トイレ」と認識してしまうためしっかりと消臭しましょう。
  • 排泄のあった場所の“意図”を考える
    • また、その場所で排泄してしまった理由にも目を向けてみてくださいね。
    • ストレスがなかったかな、体調崩していないかな、トイレはきれいだったかなと一つ一つ考えてみましょう。

▶ 粗相してしまった場合の対処法

もし粗相をしてしまったら、匂いが残らないようにきれいに掃除しましょう。
加えて、なぜその場所でトイレをしたくなったのか、考えてみてください
可能なら、その場所にトイレを設置してあげましょう。
キッチンや寝室などのトイレを置けないような場所でしてしまった場合は、まずはそもそもその場所に入れないような工夫を。


🐾 野良猫を迎えたときのトイレ対応

野良猫を保護して室内飼いを始めると、「トイレを使ってくれない」というお悩みはよくあります。
これまで外で排泄していた習慣をリセットするには、少しの時間と適切な工夫が必要です。

▶ ケージからスタートしてトイレの場所を覚えさせる

野良猫の場合、新しい環境で安心できる方法を自分で見つけ出す能力が高い子が多いです。
そのため、広い部屋を自由にさせてしまうと、「トイレはココにする!」と勝手にトイレ認定してしまいます。
設置した猫用トイレ以外には注意が向かないように、行動範囲はできるだけ限定しておきましょう。
成猫であれば、一度トイレ認定した場所はその後もきちんと使ってくれるので、トイレを覚えてきたら少しずつ行動範囲を広げていってOK。

▶ 外の土に近い猫砂を選ぶ

鉱物系やシリカゲルなどの猫砂は、外の環境に近いのでグッド!
野良猫出身の子は猫砂をバリバリ豪快に砂かけするので、お掃除が大変です。
ケージから外に出るようになったら、大型猫用や多頭飼育用の大きい猫トイレを用意してあげましょう。

▶ 静かで開放感のある場所にトイレを設置

猫には「隠れた場所でトイレしたい派」と「見通しの良い場所が落ち着く派」がいます。
共通して大切なのは、静かで、壁に囲まれすぎていないこと。
複数の場所にトイレを置いて、猫の好みを見つけましょう。

▶ 最初の失敗を防ぐのがカギ

子猫と違い、野良出身の成猫では「最初の成功体験」が非常に重要です。
正しい場所で排泄できるまで、長時間ケージの外に出すのは控えましょう。
一度トイレに成功すれば、その周辺を「安心できる場所」と認識してくれるはずです。


🐾 トイレ習慣のサポートに役立つリラックス製品

トイレの失敗やストレスを減らすために、便利なアイテムを取り入れるのもおすすめです。

● フェリウェイ(Feliway)

猫のフェイシャルフェロモンを模した製品で、安心感を与える効果があります。
トイレ失敗やマーキング予防に役立ちます。
拡散器タイプとスプレータイプがありますが、家庭用には拡散器タイプがおすすめ。
トイレの近くに設置し、「ここは安心できる場所」と感じてもらいましょう。

● フェルロ®(Feluro)

ビルバック社が開発した、下部尿路の健康維持をサポートする液体サプリメント。
L-テアニン、ハイビスカスフラワーエキス、グルコサミン配合。チキン風味で与えやすく、食事に混ぜて使えます。

● DHC リラックスキャット

かつお節風味の粉末サプリメント。
テアニン、ギャバ、レシチン、ザイラリアなど、リラックス成分が含まれており、ストレス軽減に役立ちます。


🐾 まとめ:猫との暮らしに欠かせない「安心できるトイレ習慣」を整えよう

トイレ習慣は、猫と人が快適に暮らすための大切なステップ。
すぐにうまくいかなくても、猫のペースに合わせて根気よく寄り添ってあげましょう。

失敗しないトイレ習慣の作り方
  • トイレの数は「猫の頭数+1個」
  • 静かで安心できる場所に設置
  • 毎日こまめに掃除して清潔に
  • 猫の好みに合った砂と容器を選ぶ
  • トイレに成功したら、やさしく声をかけて褒める

私たち人間が「安心できる環境」をつくってあげることで、猫は自然と落ち着いて生活できるようになります。
あなたの猫ちゃんが、今日も気持ちよくトイレを使えますように。

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